褥瘡(じょくそう)・潰瘍
「高齢の家族の皮膚が黒ずみ、傷ができてしまった」
「長く寝たきりでいたら、皮膚に穴があいてしまった」
「足の傷がなかなか治らない」
「かさぶたが剥がれず、膿が出てきて心配」
このような症状がある方は、「褥瘡(じょくそう)」や「皮膚潰瘍(かいよう)」の可能性があります。
これらは、皮膚や皮下組織が壊死(えし)してしまう深刻な状態で、放置すれば重症化し、入院や手術が必要になることもあるため、早期対応が非常に大切です。
東白壁クリニックでは、創傷治療を専門にしてきた形成外科医が在籍しており、褥瘡・難治性潰瘍に対する専門的な治療とケアを行っています。
褥瘡(じょくそう)とは?
褥瘡とは、寝たきりや動けない状態が続いたときに、体の一部に圧力がかかり続けることで皮膚やその下の組織が壊死してしまう傷のことです。
「床ずれ」とも呼ばれます。
【褥瘡ができやすい部位】
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仙骨(おしりの骨のあたり)
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かかと
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肘や肩甲骨
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くるぶし
褥瘡は皮膚が赤くなるだけの初期段階から、深くえぐれる重度の段階まで様々です。進行すると、骨や筋肉まで損傷することもあります。
潰瘍(かいよう)とは?
潰瘍とは、皮膚が何らかの原因で壊れて、長期間にわたって治らない状態の傷のことです。
特に高齢の方や糖尿病を持つ方の「足の傷」や「すねのただれ」が多く見られます。
【潰瘍の主な原因】
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糖尿病による血流障害(糖尿病性足潰瘍)
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動脈硬化による虚血性潰瘍
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静脈うっ滞による下腿潰瘍
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外傷・やけどの二次感染
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薬剤や自己免疫性の皮膚疾患
褥瘡・潰瘍の原因と悪化要因
| 主な原因 | 詳細内容 |
|---|---|
| 長時間の圧迫 | 寝たきり・車いすなどによる体圧の集中 |
| 栄養状態の悪化 | 低たんぱく・貧血・脱水などで皮膚が弱くなる |
| 血流の悪化 | 糖尿病・動脈硬化・心疾患など |
| 感染 | 傷が化膿し、周囲の組織にも炎症が広がる |
| 湿潤・排泄物の接触 | オムツや汗、尿などによる皮膚の浸軟(ふやけ) |
東白壁クリニックの治療の特徴
当院では、以下のような形成外科・創傷外科の視点から治療を行っています。
1. 専門的な創傷評価
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褥瘡・潰瘍の深さ、感染状態、周囲組織の状態を総合的に診察
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必要に応じて総合病院へご紹介させていただきます
2. 創傷の処置と外用治療
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創の状態に応じて、湿潤療法(モイストヒーリング)を中心に治療
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必要に応じてデブリードマン(壊死組織の除去)を行います
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感染が強い場合は抗菌薬や消毒が必要になることもあります
3. 体圧分散や生活指導
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圧迫を避けるためのポジショニングや寝具の指導
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栄養やスキンケアのアドバイス
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介護者やご家族へのケア指導も丁寧に行います
4. 手術が必要なケースにも対応
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壊死組織の切除や皮膚移植が必要な場合は、連携病院への紹介も可能です
よくある質問(褥瘡・潰瘍)
Q1. 在宅での褥瘡も診てもらえますか?
A1. はい。ご家族が写真を持参しての相談や、通院が可能な範囲での治療に対応可能です。
Q2. どのタイミングで受診すべきですか?
A2. 皮膚が赤くなっている段階から受診をおすすめします。悪化する前に予防的なケアを行うことが重要です。
Q3. 足の潰瘍がなかなか治りません…
A3. 血流や糖尿病のコントロール、靴の選び方など複数の要因が関係することが多いです。まずは詳しく状態を拝見して、原因を見極めることが大切です。
院長より
私はこれまで地域の基幹病院で褥瘡や潰瘍などの“治りにくい傷”の治療に長く携わってきました。
「もう治らないと思っていた傷が少しずつ改善する」
「介護される方も、介護する方も笑顔になる」
そんな治療を、地域で提供していくことが私の目標です。
傷の状態だけでなく、ご本人やご家族の生活背景も考慮しながら、無理のない方法での治療をご提案します。どうぞ安心してご相談ください。
