「人より汗の量が多く、日常生活に支障がある」
「手の汗で書類が濡れてしまう」
「わき汗が気になって、人前に出るのが不安…」

このような症状は「多汗症（たかんしょう）」と呼ばれる状態かもしれません。
単なる“汗っかき”とは異なり、本人にとっては深刻な悩みとなることが多く、放置すると生活の質（QOL）を大きく低下させてしまいます。

当院では、保険診療から自費診療まで幅広く対応しており、多汗症に悩む方が前向きな気持ちで日常を過ごせるようお手伝いをしております。

多汗症とは？

多汗症とは、必要以上に汗が分泌されてしまう状態です。
気温や運動などとは関係なく、緊張やストレス・体質などにより大量の汗が出ることがあります。

多汗症の分類

• 原発性局所多汗症（げんぱつせいきょくしょたかんしょう）
  　原因となる病気がなく、体質や自律神経の影響で特定の部位に汗をかくタイプ
  　（わき・手のひら・足の裏・顔・頭部など）

• 続発性多汗症（ぞくはつせいたかんしょう）
  　甲状腺疾患、糖尿病、感染症などの病気が原因となって起こるタイプ
  　全身性の発汗が多く、内科的な精査が必要です

当院では、まず皮膚科的・全身的な評価を行い、原発性か続発性かを見極めてから適切な治療をご提案します。

多汗症の主な症状と部位

以下のような症状に心当たりはありませんか？

• わきの汗が洋服にしみてしまう

• 手のひらが常に湿っていて、握手ができない

• 足の裏が蒸れて不快・靴下が濡れてしまう

• 顔や頭部から流れるような汗が出る

これらの症状は「原発性局所多汗症」の可能性があります。
「日常生活に支障があるかどうか」が、治療の適応を考える大きなポイントとなります。

多汗症の治療について

当院では、以下のような治療を行っています。

1. 保険診療での治療（外用薬処方）

• エクロックゲル®（保険適用）
  　わきの多汗症治療用の外用薬で、汗の分泌を抑える作用があります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

• ラピフォートワイプ®（保険適用）
  　新しいわき用外用剤で、1日1回使い捨てで使用できます。

• 内服薬（プロ・バンサイン®）（保険適用）
  　手のひら・顔・頭部の多汗症に対して処方することがあります。

2. 自由診療での治療

• ボトックス注射（腋窩多汗症・手掌多汗症）
  　汗腺の神経伝達を抑制することで発汗を減らします。
  　効果は4〜6か月程度持続し、定期的な施術が必要です。
  　※わきの多汗症については、一定条件で保険適用となる場合もあります。

多汗症についてのよくある質問

Q1. 多汗症は病気なんですか？

A1. はい、医学的にも正式な病名で、治療が可能です。本人の困りごとがある場合は、保険適用の対象にもなります。

Q2. ボトックス注射は痛いですか？

A2. 細い針で複数箇所に注射しますが、麻酔クリームなどで痛みを和らげる対応が可能です。

Q3. 子どもでも治療できますか？

A3. はい。思春期の多汗症も増えており、外用薬や内服など年齢に応じた対応をいたします。

Q4. 一度の治療で完治しますか？

A4. 完治というよりも「症状をコントロールする治療」が中心になります。定期的な通院が必要なこともあります。

料金について（自由診療・税込）

※保険適用が可能な場合もあります。初回診察時にご相談ください。

※料金は施術範囲によって変動します。

※オプションとして表面麻酔代（麻酔クリーム）は2,000円となります。

※同部位の次回施術は最低３カ月間隔をあけてください。

院長より

多汗症は、なかなか人に相談できず、「こんなことで病院に行っていいのかな？」と悩まれる方が多い症状のひとつです。
でも、毎日の生活で不快感や不安があるなら、それは立派な“治療の対象”です。

まずは一度、お気軽にご相談ください。