爪の異常(陥入爪、巻き爪)
「足の親指の爪が食い込んで痛い」
「歩くたびに爪が皮膚に刺さって出血する」
「自分で切っても、すぐに再発する」
これらの症状は、爪の形や生え方に異常がある「陥入爪(かんにゅうそう)」「巻き爪」かもしれません。
軽度でも日常生活に支障をきたすことが多く、炎症や感染を繰り返す前に早めの対処が大切です。
私たち東白壁クリニックでは、形成外科と皮膚科の両方の視点から、患者さま一人ひとりの症状やご希望に応じた治療法をご提案しています。
陥入爪・巻き爪とは?
陥入爪(かんにゅうそう)
爪の端が皮膚に食い込み、炎症や化膿(うみ)を伴って強い痛みを引き起こす状態です。
足の親指に多く見られ、皮膚が赤く腫れたり、肉芽(にくげ)と呼ばれる盛り上がった組織ができることもあります。
巻き爪(まきづめ)
爪の両端が内側に強くカーブして湾曲してしまう状態です。
巻き込みが進むと皮膚に当たり、歩行時や靴を履いたときに痛みが出ることがあります。
原因と悪化の要因
陥入爪・巻き爪の主な原因は以下の通りです。
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深爪(特に角を切りすぎることが多い)
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合わない靴(先の細い靴、サイズが小さい靴など)
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歩き方のクセ
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加齢や爪の乾燥・変形
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スポーツや立ち仕事による負担
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爪白癬(爪の水虫)による爪の変形
悪化すると、皮膚の中に爪が刺さって炎症や感染を起こし、強い痛みで歩けなくなるケースもあります。
陥入爪・巻き爪の治療法
当院では、痛みの程度や爪の状態、ご希望に合わせて以下の治療法を組み合わせて対応します。
1. 爪切り指導・生活指導
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再発を防ぐための正しい爪の切り方の指導
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足に合った靴やインソールの提案
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自宅での保湿・清潔ケア
2. テーピング療法
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軽度の場合に有効
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爪の食い込みを和らげ、炎症を予防
3. 手術的治療(保険適用)
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フェノール法(爪母焼灼術)
陥入している爪の一部を切除し、爪が再び食い込まないように根元を処理します。再発予防に効果的です。 -
皮膚の一部を整える形成外科的処置が必要な場合もあります
4. ワイヤー矯正(自費診療)
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巻き爪専用の形状記憶合金ワイヤーを装着
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爪の湾曲を物理的に広げ、痛みを軽減
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日常生活に支障が少なく、見た目も自然
ワイヤー矯正(自費治療)の料金について
| 項目 | 費用(税込) |
|---|---|
| ワイヤー矯正(1趾) | 1,500円 |
| 初回設置料(ワイヤー代) | 4,500円 |
| フォロー再診 | 通常の保険診療内で対応可能です |
※状態や使用資材により変動がありますので、詳細は診察時にご説明します。
※材料費、処置代は1爪毎に発生いたします。
よくある質問(陥入爪・巻き爪)
Q1. 自分で爪を切っても治らないのはなぜですか?
A1. 多くの場合、切りすぎや形の不整により、逆に悪化してしまうことがあります。根本的な形の改善が必要です。
Q2. ワイヤー矯正は痛くないですか?
A2. 装着時にほとんど痛みはありません。日常生活にも大きな支障は出にくく、目立ちにくいです。
Q3. 一度手術をすれば再発しませんか?
A3. フェノール法は再発率が低い治療法ですが、体質や生活習慣により再発の可能性はゼロではありません。
院長より
私たち東白壁クリニックでは、痛みのある陥入爪・巻き爪を「ただ切る」のではなく、根本からの治療を大切にしています。
「我慢できるから」「またすぐに生えるから」と放置される方も多いのですが、繰り返すと皮膚や爪が変形しやすく、治療に時間がかかってしまうこともあります。
日々の歩行に影響が出る前に、ぜひお気軽にご相談ください。
形成外科専門医の視点から、再発を防ぐ爪ケアを一緒に考えてまいります。
