傷あと
「ケガのあとの赤みが消えない」
「手術のあとが盛り上がって目立つ」
「火傷のあとがずっと気になっている…」
このような“傷あと”のお悩みは、日常生活におけるちょっとしたケガから大きな手術後まで、年齢を問わず多くの方にみられるご相談です。
見た目の問題だけでなく、痛みやかゆみ、つっぱりなどの機能的な症状を伴う場合もあり、生活の質(QOL)に大きく関わってきます。
当院では、形成外科専門医が中心となり、患者さまのお気持ちに寄り添いながら、見た目と機能の両方に配慮した傷あと治療をご提案しています。
傷あとの種類と特徴
「傷あと」と一口に言っても、種類や状態によって治療方法は異なります。
傷あとの主な種類
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肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)
皮膚が赤く盛り上がって硬くなっている状態。時間とともに改善することもありますが、放置すると残りやすい傾向にあります。 -
ケロイド
傷の範囲を超えて皮膚が増殖し、痛みやかゆみを伴うことが多い状態です。体質によってなりやすい人がいます。 -
陥凹性瘢痕(へこんだ傷あと)
ニキビ跡や、外傷のあとにできるくぼんだ状態。見た目の凹凸が気になるという方が多いです。 -
色素沈着・赤み
傷が治ったあとに、茶色や赤色が残ってしまうことがあります。日焼けや擦れなどが悪化要因となります。
傷あとの治療方法について
傷あとの治療は、その種類・時期・症状の強さによって大きく異なります。
当院では、状態を見極めた上での最適な治療プランをご提案しています。
1. 保存的治療(主に保険診療)
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外用薬(ステロイド軟膏・保湿剤)
赤み・かゆみ・炎症を抑える目的で使用します。 -
テープ・圧迫療法
シリコンジェルシートや専用のテープを貼って、傷あとを平らにしていきます。
2. 注射治療(保険適用)
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ステロイド注射
ケロイドや肥厚性瘢痕に対し、しこりを柔らかくし、赤みやかゆみを改善する効果があります。
3. 外科的治療(保険診療)
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瘢痕切除術・形成手術
盛り上がったり変形した傷あとを、再度切開し縫い直すことで、より自然な仕上がりを目指します。
部位や大きさに応じて、局所麻酔で日帰り手術が可能です。
傷あとについてのよくある質問
Q1. 傷あとができないようにするにはどうしたらいいですか?
A1. 傷ができた直後から、適切な洗浄・保湿・保護が重要です。日焼けを避け、清潔を保つこともポイントです。
Q2. 昔の傷あとでも治療できますか?
A2. はい、古い傷あとでも治療可能なケースがあります。完全には消えない場合でも、目立たなくすることができます。
Q3. 保険は使えますか?
A3. はい、炎症や機能障害がある場合、保険診療での対応が可能です。
院長より
傷あとに関する悩みは、人に相談しづらく、“もう治らない”とあきらめている方も多いのではないでしょうか。
しかし、医学の進歩により、適切な治療を受ければ改善するケースはたくさんあります。
私たちのクリニックでは、形成外科専門医としての視点と技術を活かし、少しでも患者さまが前向きになれるような治療を行っています。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
