「赤ちゃんの顔や頭に赤いプツプツが出てきた」
「お風呂の後に湿疹が広がってきた」
「このまま放っておいても大丈夫…？」

このようなご相談で当院を受診されるお子さんは、実はとても多くいらっしゃいます。
乳児湿疹は、生後すぐから1歳頃までの赤ちゃんに多く見られる皮膚トラブルのひとつです。

赤ちゃんの肌はとても繊細で、ちょっとした刺激でも湿疹や赤みが出やすく、見た目もびっくりしてしまうことがあります。
当院ではやさしく、そして的確に診察とケアのご提案を行っております。

乳児湿疹の主な原因

乳児湿疹にはいくつかの種類がありますが、大きく分けて以下のような原因が考えられます。

よくある乳児湿疹のタイプ

• 脂漏性湿疹（しろうせいしっしん）
  　皮脂の分泌が盛んな時期に、頭皮や顔まわりに黄色っぽいかさぶたや赤みが出る湿疹です。生後1〜3か月に多くみられます。

• 汗疹（あせも）
  　汗をかきやすい赤ちゃんは、首・背中・わきなどに細かいブツブツが出ることがあります。夏場や発熱時に多いです。

• アトピー性皮膚炎の初期症状
  　乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は初期の段階で見分けがつきにくいことがあります。繰り返す湿疹やかゆみが強い場合は注意が必要です。

• 接触性皮膚炎（かぶれ）
  　よだれ、ミルク、衣類の摩擦などでも赤くなったり、かぶれたりすることがあります。

赤ちゃんの湿疹で受診の目安

湿疹が出たからといって、すぐに心配する必要はありませんが、以下のような場合は受診をおすすめしています。

• 赤みや湿疹が2〜3日経ってもよくならない

• 湿疹が広がってきている

• かさぶたやただれが目立ってきた

• ひっかいて出血してしまう

• お母さん・お父さんが「これは大丈夫？」と不安に感じている

赤ちゃんの肌トラブルは“様子を見よう”と放っておくと悪化することもあります。
初期の段階でしっかりとしたスキンケアと治療を行うことで、悪化を防ぎ、肌を健やかに保つことができます。

乳児湿疹の治療とスキンケア

乳児湿疹の治療は、保湿と炎症を抑えることが中心になります。

基本的な治療の流れ

1. 保湿剤の塗布
   　赤ちゃんの肌は乾燥しやすく、保湿を丁寧に行うだけでもかなり改善することがあります。

2. 炎症が強い場合はステロイド外用薬を使用
   　赤ちゃんにも使える弱めのステロイドを短期間使用することで、早く炎症を抑えます。

3. 細菌感染を伴っている場合は抗菌薬を併用
   　とびひなどの二次感染がある場合には、抗生物質の軟膏や内服を使用します。

ご家庭でできるスキンケアのポイント

• 毎日の入浴で皮膚を清潔に保つ

• 洗浄力の強すぎないベビーソープを使う

• 入浴後すぐに保湿剤を塗る

• 汗やよだれはこまめにやさしく拭き取る

• 衣類やタオルの洗剤も低刺激のものに

よくあるご質問（乳児湿疹）

Q1. ステロイドは赤ちゃんに使っても大丈夫ですか？

A1. はい、医師が処方する適切な強さ・量・期間で使えば、副作用の心配はほとんどありません。
使いすぎを防ぐためにも、自己判断せず医師の指導を受けましょう。

Q2. 病院に行くほどではない気もするのですが…

A2. 迷ったら一度ご相談ください。「ちょっとした湿疹だけど心配」というお気持ちにしっかり寄り添って診察いたします。

Q3. アトピーになる可能性はありますか？

A3. 一部の乳児湿疹は、アトピー性皮膚炎につながるケースもあります。
気になる場合は、経過を見ながら定期的な診察で判断します。

院長より

赤ちゃんのお肌はとてもデリケートで、少しの変化でも驚かれる保護者の方がたくさんいらっしゃいます。
当院では、赤ちゃんの湿疹を丁寧に診察し、安心できるケア方法を一緒に考えることを大切にしています。

「何科にかかればいいか分からなかったけど、相談してよかった」と思っていただけるような診療を目指しています。
乳児湿疹でお困りの際は、どうぞ気軽にご来院ください