「子どもが虫刺されを掻いていたら、そこからじゅくじゅくと広がってきた」
「湿疹がかさぶたになって、次々にほかの部位にうつってしまう…」

このような症状が見られる場合、「とびひ（伝染性膿痂疹 でんせんせいのうかしん）」の可能性があります。

とびひは、皮膚にできた傷や湿疹から細菌が入り込んで起こる感染症で、特に子どもに多い皮膚トラブルのひとつです。

当院では早期の診断・治療、再発予防のケアまでサポートいたします。

とびひの原因

とびひは、皮膚にできた小さな傷や虫刺され、あせも、湿疹などから細菌が入り込み、炎症を起こすことで発症します。

主な原因菌

• 黄色ブドウ球菌：とびひの大半を占める。水ぶくれができやすい

• 溶血性連鎖球菌（溶連菌）：かさぶた状になりやすく、のどの痛みを伴うことも

掻いたり触れたりすることで、次々に周囲の皮膚へ「飛び火」するように広がるため「とびひ」と呼ばれます。

とびひの症状について

とびひの症状には2つのタイプがあります。

水疱性とびひ（水ぶくれタイプ）

• 透明〜黄色の水ぶくれができ、やがて破れてびらん（ただれ）になる

• じゅくじゅくして、まわりに広がりやすい

• 主に黄色ブドウ球菌が原因

痂皮性とびひ（かさぶたタイプ）

• かさぶたや厚い黄色い膿のようなかたまりができる

• 高熱や喉の痛みを伴うことがあり、溶連菌が関与していることも

• 比較的年長児〜成人にも見られます

どちらも強いかゆみを伴い、触れることで周囲に感染が広がるため、早めの受診が必要です。

とびひの治療法について

とびひは、早期治療で速やかに改善が期待できる皮膚感染症です。

1. 抗菌薬の内服・外用

• 原因菌に応じた抗生物質の内服を処方します

• 軽症の場合は抗菌薬の塗り薬（軟膏）で対応可能

• 重症化や広範囲の場合には内服と外用を併用することがあります

2. かゆみへの対応

• 掻きこわしによる悪化を防ぐため、かゆみ止めの内服を併用することもあります

3. 清潔を保つことが大切

• 患部を石けんでやさしく洗って清潔を保ち、よく乾かす

• 爪を短く切り、掻きむしりを防ぎましょう

• 兄弟や園・学校での感染予防のため、タオルや衣類の共有を避けます

とびひについてのよくある質問

Q1. とびひはうつりますか？

A1. はい、接触によって他の人にも感染する可能性があります。特に湿ってじゅくじゅくしている状態のときは、注意が必要です。

Q2. 学校や保育園は休むべきですか？

A2. 状態によっては登園・登校の制限が必要です。治療により湿疹が乾いてきて、感染力が下がれば通園・通学可能です。園や学校と連携して対応しましょう。

Q3. とびひは大人にもかかりますか？

A3. はい、大人でも免疫が落ちているときや傷があるときには発症することがあります。特に糖尿病やアトピー性皮膚炎がある方は注意が必要です。

院長より

とびひは、子どもにとって身近でありながら、放置すると周囲へも広がる皮膚感染症です。お子さんが強くかゆがったり、湿疹が広がってきたりした場合は、「様子を見る」のではなく、できるだけ早く受診することが大切です。

当院では、小さなお子さまにも優しい診察と治療を心がけております。まずはお気軽にご相談ください。